オランダへ行こう

ある年の、秋も深まったある日のこと。

スッフィー

おかあさん、オランダに行こうよ。

私2月なら学校もないし、バイトも休みやすいから、計画立てるなら今って感じ。

ヨッフィー

え、めっちゃ行きたい。

ちょっとネットで調べてみようか。

海外旅行未経験のスッフィーと、東南アジアに一度、ひたすら人にくっついて行ったことがあるだけのヨッフィー。

自分たちだけで遠くヨーロッパに行くなんて、不安がいっぱい。

スッフィー

調べたけど、これしかないね。

オランダツアーって、少なすぎて選択肢がほぼ無い。

ツアーといっても、もちろん添乗員がついてきてくれるわけでもなく、「航空券とホテルの手配はしますけど、あとは自力でどうぞ」的なツアー。

そりゃあ多額のお金を積めばその限りではないのだろうが。

まあ、選択肢がないということは、悩みどころもないということなので、さっそくネットで調べた旅行代理店に向かった。

ヨッフィー

すみません。オランダに行きたいのですが。

おねーさん
(新人)

はい、オランダですね。何泊のご予定ですか?

ヨッフィー

えっと・・・3泊で。

3泊といっても時差があるので3泊5日の旅行となる。

おそらく怒濤の弾丸ツアーになるが、仕事もあるし、お金のことを考えても仕方あるまい。

おねーさん
(新人)

2月はオフシーズンですので、料金もだいぶお安めになりますね。

この日に出発すればおひとり12万9800円です。

スッフィー

わあ!それでお願いします!

今回のツアー代はスッフィーが出してくれることになっていた。

スッフィーが小学生の時に「私が将来お金貯めたら、おかあさんをオランダ旅行に連れて行ってあげるね!」と言っていた約束を果たしてくれたのだ。

お金にせこいしっかり者のスッフィーはせっせとバイトして、わたしのために大金を貯めてくれていたのだ。

ヨッフィー

ありがとう・・・スッフィー・・・

おねーさん
(ど新人)

あ、すみません、見るとこ間違ってました。

12万じゃなくて、14万9800円(税抜き)でした。

スッフィー

・・・・・・

ヨッフィー

それで大丈夫です・・・

(上乗せ分はわたしが払うので・・・)

いま考えたら、値段交渉とかすればよかったな・・・

まあ何はともあれ、準備も含めて、楽しい旅のはじまりです。

ミュージアム広場から臨むアムステルダム国立美術館とアイ・アムステルダムサイン