コンセルトヘボウ・ブラボウ
開演時刻は14:15。あと1時間しかない。本当はどこかのレストランでランチしようと思ったのに、またもや断念せざるを得なくなった。
でもコンセルトヘボウは目の前にあるので、スーパーで買ったサンドイッチをベンチで食べる時間はある。
ミュージアム広場にあるベンチに腰を下ろす。広場を挟んで向こう側には、国立美術館と、有名な「アイ・アムステルダムサイン」が見えた。
ここでぜっっったいに写真撮らなきゃ。
急いでサンドイッチをほおばる。
オランダを訪れた観光客は99%、ここで写真を撮ると思う。ここでもセルカ棒が大活躍した。
それにしても、なんてあわただしい旅なんだろう。
でもこの後はゆったりとコンセルトヘボウの演奏が聴けるので良しとしよう。
先にも触れたが、このロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団は、ウィーンフィル、ベルリンフィルと並んで世界3大オケのひとつである。
「コンセルトヘボウ」とは「コンサートホール」のこと。なので、「コンセルトヘボウ管弦楽団」は「コンサートホール管弦楽団」。素直すぎる。
そしてそのネーミングの素直さを体現するかのように、中に入ると、まさにここはオーケストラのコンサートのためだけに作られたホールであるということが分かる。
客席がホールに包み込まれている感覚、といったらいいのか。正面にある立派なパイプオルガンがひときわ目をひく。さぞかし歴史あるホールなのだろう、荘厳で重厚であり、細かな装飾が美しい。
パイプオルガンの左右に出入り口があり、そこから十数段の階段を通ってステージに下りられるようになっている。このすり鉢状になっているところが、優れた音響効果をもたらしているというわけか。
難しいこと言ってみたけど、ほんとのところはさっぱりわからん。
プログラムはチャイコフスキーの交響曲「マンフレッド」とシューマンのピアノ協奏曲。
「マンフレッド」のほうは、なんと終楽章にパイプオルガンのパートがあり、とてもラッキーだった。そもそもこのパイプオルガンがネックで、よそで演奏される機会は少ないらしい。
シューマンのほうはピアニストがすごくて、ずっと手元を見ていた(笑)。
そして、このコンセルトヘボウオーケストラが奏でる音色は、今までに聴いたことのないものだった。演奏技術は言わずもがな。でもそれだけじゃない。これまで何度かプロのオーケストラの演奏会に行ったことはあったが、なんか全然違う。何が違うのかよくわかんないけど。
演奏が終わると観客は一斉に立ち上がり惜しみない拍手を送った。もちろん私たちも負けじとそれに加わった。
鳴りやまない拍手。それに応えるため、アンコールまでの間、指揮者とピアニストは何度かステージと袖を行ったり来たり。袖といってもさっき言ったように、パイプオルガンの脇まで階段が20段近くあるので、上ったり下りたり。
いや~これ、ここで演奏する指揮者とソリストは足腰鍛えないとな。
つくづくお年寄りに厳しい国、オランダ。そんなしょうもないことを考えていた私の隣で、自らも大学オケの一員だったスッフィーは大いに感動していた。
ものすごい名演だったんだけど!毎回こうなの??すごい!!!!!
コンセルトヘボウが日本で演奏会をする時は、また聴きに行こうね。