ミッフィーの聖地へ

何と言ってもここは、全世界のミッフィーファンがこぞって巡礼に訪れる聖地。

ストリートビューで予習していた、ユトレヒト駅からナインチェ・ミュージアムへの道のりをたどり、20分くらい歩いていま、ナインチェ・ミュージアムは目前にあった。

ミッフィーの顔の輪郭をかたどったシルバーの看板がまぶしい。その建物の前で、みんなのアイドル・ミッフィーは、どっしりと、表情をうかがい知れないその目はまっすぐに前を向き、赤いミッフィー柄の服を着て静かにたたずんでいた。

私たちが到着したとき、ミッフィーの前で記念撮影をしている先客がいた。日本人ではないが同じアジア系の人たちのようだ。ミッフィーのかわいさは万国共通、国境を越えてたくさんの人たちがミッフィーのことを愛で、みんな笑顔になる。世界平和だ。

ヨッフィー

ミッフィーは世界を救うと思う。

先客がいなくなってから、私たちは存分に、このユトレヒトで世界中のミッフィーを取り仕切っているミッフィー長とでもいうべきミッフィーと記念撮影を楽しんだ。

メインストリートからは一本奥に入り込んだ裏道のせいか、人通りは少なかった。ミッフィー先輩を真ん中に、囲みフォトが撮れるのもセルカ棒あってのことだ。

ひととおり撮影に満足してから、チケットを買う。このナインチェミュージアムと、お向かいのセントラルミュージアムのセットで€12.50だ。こちらはeチケットではなくその場で購入したが、空いていたので問題はなかった。(チケットは、セントラルミュージアムのほうで販売していた。そして現在は新型コロナウイルスの影響で事前のeチケット購入が必須になっている模様。)
2月の上旬だったので、オランダ観光としては完全にオフシーズン。チューリップの花咲く4月から夏休み頃までは観光客が増える。
でも、こういった屋内施設を訪れるのがメインの旅行なら、人が少ないオフシーズンの方がいいかもしれない。

中に入ると壁にはさっそくミッフィーと仲間たちが描かれている。いろんな国の言語が壁に書いてあって、日本語でも「ようこそ」と書かれていた。オランダに来て初めて目にした日本語。

本来ナインチェミュージアムの方は子どものための施設で、小さな子どもたちの屋内遊園地のような位置づけなので大人だけで訪れてもつまらない、といった見方もあるようだ。

スッフィー

私たちにはまるで当てはまらないけどね。

ヨッフィー

子ども向けだろうがなんだろうが、ミッフィー好きならつまらないわけがないわ。

ナインチェミュージアムは夢のような空間であった。どこを見てもミッフィーやダーンやボリスやポピーさんたちがいて、6色のブルーナカラーに彩られ、無数のフォトスポットにあふれていた。壁も廊下も階段も床も天井もすべてかわいい。

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ヨッフィー

つまる~!つまりすぎる~!

(つまらないの対義語)

途中、子どもたちがたくさん遊んでいる部屋があった。動物たちがたくさんいて動物園を模したコーナー、踏切や乗り物のコーナー、キッチンやお風呂やお部屋があるコーナー。

そのコーナーひとつひとつがかわいいのはもちろんだが、そこで無邪気に遊ぶ子どもたちとセットになると、これがまたいい。かわいさの相乗効果がすごい。ブルーナカラーのキッチンでお料理ごっこをする女の子はさらっていきたいと思った。

美術館風の空間もあった。ミッフィーの絵本の中でも、ちょっとアーティスティックな場面が切り取られ、額に入ってセンス良く飾られていた。

ブルーナさんが机でなにかを描きながらやさしい眼差しでこちらを見ている。机は立体的にこちら側に飛び出ており、その机に肘でもついてこちらを見れば、実在のブルーナさんと一緒に写真を撮っているかのように見えた。

でももうブルーナさんはこの世にいない。

このユトレヒトの街で自転車に乗ってアトリエへ向かうブルーナさんはいない。もう新たなミッフィーや、新たなお話が生み出されることはない。そう思うとすごく残念で、悲しい気持ちがこみ上げてくる。

ヨッフィー

生きてるうちにひと目お会いしたかった。

でも、ブルーナさんが生きた証は世界中にあふれている。

さらっていきたかった女の子。