オランダの悪いやつら

警察手帳を見せられたことは過去に一度ある。
当時勤めていたレストランで無銭飲食が発生し、私服警官が捜査に訪れた時の話だ。これがテレビドラマでよく見る桜の代紋かぁ・・・と感慨深かったのを覚えている。

しかし今ここでオランダ警察の手帳を見せられても恐怖しかない。本物かどうかもわからないし。そもそもなんで警察が?こんな善良そうな観光客が大麻の取引をしてるとでも?でも大麻は合法なんじゃ・・・

警官が近づいてくるほんの短い間に、いろんな可能性を考えるが答えは出ない。

ポリスマン

Show me your passport!

そう言われて、ハッと気づいた。

ヨッフィー

スッフィー、こいつ悪い奴だ。

旅行前、いろんなオランダの情報を集めていた時に、「警官を装い、パスポートや現金、クレジットカードなどを盗もうとする輩がいるので注意」そんなことを書いていたどなたかのブログがあったことを、うっすら思い出したのだ。

ヨッフィー

I don't have a passport!

It's in the hotel!

実際パスポートはホテルのセキュリティボックスに入れたままにしていた。スリが多いから不用意に持ち歩くものではない、というのもどこかで読んでいたからだ。
でも本来パスポートは携帯してなければならなくて、(ホテルのセキュリティボックスも100%は信用できないし)スリが心配なら体にくくりつけておけば良かったのだろうが、当時の私はそこまで考えが及ばなかった。

でもその時に関しては持ち歩いていなかったことが幸いした。実際に持っていたら、脅されてしぶしぶパスポートを渡す事態になったかもしれない。

エセ警官は次に財布を見せるよう要求してきた。

財布は持ってないとも言えず、一応出して見せたが、決して相手に渡さないようにものすごい握力で掴んでいた。それでもエセ警官は財布の中を確かめようと手をかけてくる。

ヨッフィー

スッフィー、絶対こいつに渡しちゃダメよ!!

スッフィー

うん、わかった!!

エセポリスマン

Show me!

Euro only?

ヨッフィー

Euro! Only!ほら!

I! Have! Nothing!!!!!
(何も持ってねーよバーカ!)

警戒心をあらわにする私たちを見てあきらめたのか、エセ警官は何やらつぶやきながら去っていった。
あれ?さっきのおっさんは?しれっと消えやがった、やっぱりグルか!

それにしてもあのブログ、どこで読んだのか忘れちゃったけど、書いた方本当にありがとうございます。読んでなかったら財布掏られてたかもしれない。

だから私も微力ではあるが、ここに書き残しておく。オランダに限らず海外旅行に行かれる方、人気(ひとけ)のないところは特に、そして私のような浮かれた日本人はなおさらターゲットになりやすいです。気を付けてくださいね。

スッフィー

オランダこえー。

ヤギや羊も暮らす。こんなにのどかな風景なのに。